鯖屋という仕事

こんなこといまさら言うのは反則ではあるんだけど

こっそり言ってみる。サーバを扱うのは、一昔に比べたらだいぶ慣れた。最初の頃は、何が大切で何がダメなのか分かっていなかった。何を求められているのか解らなかった。自分は技術が足りないと思って(いや実際足りないが)、勉強した。でも、一番大切なことは、お客さんに満足してもらうことで、クレームを貰わないように頑張ることではないことに気がついた。

サーバは何もしなければ、ほとんど問題がない。快適なときには、お客さんからの反応は無い。だから、勘違いしがちなのだ。自分はサーバを扱って商売しているから、一見技術屋さんのように考えてしまう。でも、本当はそれを超えてサービスマンになったほうがいいのだ。お客さんにどう喜んでもらえるか。そこが勝負する場所なのだ。それを勘違いしていた。技術を売っているんではない。満足を売っているんだ。

こんなことを言うのは、近しい人が自社のサービスを申し込んでくれたから。今まで当たり前だったことが当たり前で無くなった。お客さんの立場でものを見ることができた。どんな気持ちがそのページに詰まっているのかというのを知らなかった。どんなに時間をかけて、自分の思いを伝えようとして、作っているのか知らなかった。

ああ、私の携わっている仕事は思いを伝えるのを助ける仕事。それが通信業。技術をひけらかして、見せびらかすのが仕事ではない。いかに喜んで貰えるか。それを売っている。自分の仕事が誇らしく思えたのは初めてだった。自分はバカだった。