なぜエンジニアが、グーグルのコピーを作ろうとして失敗するのか?

エンジニアがマーケティングを学ぶ理由がわからん的な話

エンジニアがマーケティングを学ぶべき 4つの理由

という話があったけど、私が学びたい理由とは違ったので、書いてみます。

なぜエンジニアが、グーグルのコピーを作ろうとするのか?

優れたグーグルの情報にしたがってGoogleのコピーを作ろうと思いませんか?

この質問、エンジニアであるならば、グーグル(Facebook,Zingaその他ほっとなベンチャー)のような組織を作ってみたいというのは思うと思います。私は思いました。そして、大学卒業後、起業し、失敗しました。

私がマーケティングを学びたいと思うのは、この質問にどう答えるか、そしてその答えを導くためのものが「マーケティング」だからです。そして、失敗を埋めるための能力を得るためには、マーケティングは必須だと考えるからです。

なぜ、googleを作れないのでしょうか?自分が天才じゃないから?技術が無いから?仲間がいないから?資本が無いから?さて、どれでしょう+それらのどれらでもないでしょうか?

答えは、Googleが既にあるからです。

もっと、詳しく言うとGoogleが現れたその時と、現在ではマーケットが全く違い、既にその領域はことごとく既存の大企業に埋められているからです。資本力の無い、技術力のない、ベンチャーには当然その差を覆すような要因がありません。そして、そんなこともわからずに事業計画を立てた私は、手痛い失敗をしたのです。

コピーでは勝てない?

私はコピーだから、勝てないとか、技術がないから勝てないという話をしたいわけではありません(当然そういう要因もありますが)。問題は、エンジニアリングだけでは、この問題を解くことが出来ないということが言いたいのです。技術者であれば、他のところでうまくいっているシステム(この場合企業システム)を取り入れて、よりよくすることで、彼らのようになれるのだという考えを、どうやって却下しましょうか?

資本力が、技術力が、天才的なヒラメキが、シリコンバレーが無いから?日本の企業システムが悪い?エンジェルがいない?

Googleだって、最初は資本なんて無いし、技術力も超あったわけではないでしょう。論理的に可能であったことが、なぜ私に出来ないのか、エンジニアリングには説明が出来ません。技術で言えば、MapReduceというGoogleが作った分散型計算システムがオープンソースになっています。ではなぜ、第二、第三のGoogleが生まれないのでしょうか?

景気が悪い?日本が悪い?能力が足りない?

この問題を解くことができたのが、マーケティングだったから、私は学びたいと思ったのです。

マーケティングとして、考えるなら、既にその山を広く囲い、防衛策を敷いているのならば、少数の兵でそこを攻めるのは愚の骨頂と言わざるを得ません。初期ベンチャーが狙うべきなのは、大手が参入するまでもない特定の小さい領域で、ゲリラ戦をして、そこを占領後防衛戦を行うべきです。マーケティングは、兵法と非常によく似ており、お互いに共通点があります。マーケティングと兵法の違いは、戦う場所の違いです。ひとつは戦場、ひとつは脳内の認識のリソースの取り合いです。

マーケティング戦争 全米No.1マーケターが教える、勝つための4つの戦術

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単純作業をしたい以外のエンジニアは、全て読んだほうがいいと思います。脳内でどのような戦いをしているのかを、認識せずに勝てるはずがないと思いませんか?

数年前の私がこのことを理解していれば、手痛い失敗をすることもなく、過ごせたのかもしれません。それに、エンジニアにしかわからない領域は多く、今までにないシステムのアイディアをひらめくかもしれません。分業化による、アイディアを思いつかないリスクというのは、大きくないでしょうか?分担をすることで、それぞれの領域を触らなくて済むのは楽ですが、イノベーションは生まれにくくなるでしょう。

というわけで、過去の失敗もあり、今働く企業により貢献したいと思う私は、エンジニアリングとは別の領域も、知りたいと思うようになりました。実際に、基礎的なことが入っているだけでも、アイディアをいかに現実に落としこむのかという状況において、ものすごく役に立ちます。上の本は信頼するマーケッターに、こいつだけは絶対読んでおいたほうがいいというふうに進められ、読んで衝撃をうけたものです。数時間と千円ちょいで、世界がより面白く見えるようになるので、私は有能なエンジニアでありたいと思うのならば読んでおくことをお勧めします。