イメージで思考する

像と像は重なり合い、干渉し合ってそれは現実を超える。

イメージ型の思考

言語型の思考の限界が訪れ、思考能力の足りなさからあまっているリソースを無理やり思考に回す方法。イメージ型の思考について考えてみた。苫米地本とかフォトリーディングにも似たようなニュアンスは出て来るが、同じような事はネイティブ共感覚じゃないと普通は出来ないのだろう。ちょっとこの普通の人と共感覚の壁を越えてみる。

森は思考する

なぜ、思考を森にしたのか。それはいくつかの理由がある。

多数の人格を保有するためには群体でイメージする必要があった。イメージに人は規定される。今の私という、1人のイメージを超えるためには、全く別のものを使う必要があった。私の定義の書き換え、拡張だ。私から、私たちへの移行。そして、なぜ人々を選ばなかったのか。ビリーミリガンでは人格の器はそのまま人格だ。スポットライトが当たった人間が表の人間インターフェイスを使う事が出来る。その問題点はいくつかある。人間は分裂や融合、そして自動的な成長というようなイメージがしにくいためだ。イメージによってその論理的な形は定義される。

人はそう簡単に大人になったりしないし、心はそんなに強くない。そして、動かさないと接触干渉させないと成長はない。それに比べて、森というのは非人間であるために分裂や融合、そして急激な成長というようなイメージは人間に比べると容易である。そして静的イメージと成長するイメージを併せ持つ。静的なイメージというのは沢山のイメージを同時に処理するためには必要だ。10本の木は想像できても、10人の動く人間は想像しにくい。処理能力の問題だと思うけど。それと人には必ず名前がある。しかし思考の種にはそんな名前を付けていたら1000でも2000でも足りなくなる。だから森を選んだ。

森のイメージを重ねて臨場感を上げる

自分の中の森のイメージを伝えてみよう。森という一語にどれだけのイメージを多重に保持できるか、それを保てるかだ。

森の原体験

小学生の小さいころのイメージ。家の周りはちょっとした集落のそとは田んぼだった。田んぼにはカエルがいて、あぜ道を歩いたりして捕まえていた。水路があってもう少し先には小さな森があった。そこは通学路でいつも通っていた。1本だけ凄く高い木があってそれがモコモコした森の親分のようだった。夏でもちょっとその中の道を歩くと薄暗く涼しい。森は広葉樹で秋になるとどんぐりを落とした。自分はそれと拾って集めた。どんぐりの殻を割って中の白い部分をかじると渋かった。家に持って帰って、集めるとたまに虫が食っていたりして駄目になる奴もいた。どんぐりは子供の自分にとって宝石みたいなものだった。軽くてちょっと光を反射させて、ピカピカしていた。

心の可視化

ブギーポップというライトノベルがある。自分は文体が結構好みでよく読んでいた。その中の2作目、VSイマジネーターというものがある。ブギーポップという小説は、なんだか不思議な形をしていてブギーポップというのは少女の多重人格の一つの人格(?)でそれが世界の危機に現れて世界の危機を壊すというのが最初の構造。ブギーポップ自体はあまり出てこなくて、周りの少年少女が物語を駆動する。例えばひょんなことで手に入れた能力を使って、色々な事をしていたらブギーポップが現れて殺されたりとか。とか。とか。

そんな中でこのVSイマジネーターでは飛鳥なんたらって人が、「他人の心を胸に生えたバラとして可視化する」能力を得る。それは「花が無い」「幹が細い」「根が弱い」「葉が小さい」「トゲがとがっている」などのパラメーターで表現される。最初は見えるだけだった能力だったけど、あるときにそれを操作、掛け合わせたり部品を交換できたりすることに気がつく。人の弱い部分を補える人どうしで、部品を交換して補完できれば人間は幸せになるんじゃないかという実験で。色々やっていくうちに、おっと世界の危機に・・・というお話。いや能力。

自分には心を可視化して、それを制御するというのが非常に面白かった。今の心をオブジェクトとしてみるのもこんなものが元になっているんじゃないかと思ったり。森というのはそのバラの拡張イメージ。群体にし、より豊かな生態系を表現として手に入れた状態。

バオバブの木と星の王子様

バラ繋がりだったり、木つながりで。「星の王子様」より、彼は小さな星に住んでいてそこにはツンデレなバラと草の生えてくる星があった。草は放って置くと、実はバオバブの木で小さな小さな星だからどうしようもなくなってしまう。王子様は色々な世界を巡って、地球に辿りつき。そして色々な「質問」をして最後は星に帰る。

小さな王子さま

小さな王子さま

腐海

風の谷のナウシカに出てくる腐海。菌性の動的な森として描かれている。人間にとって毒を噴く森であっても、それは過去の大戦の残した傷を結晶化し無害化するための仕組みで。全てを清浄の世界にした後は森は自らの自重で崩れ去るという。腐海に住む蟲は、自己の危機にたいして仲間をよび攻撃をするというのも印象的。攻性防壁持ち。
[rakuten:book:11201985:detail]

ライフメーカーの掟

どっかの星で作った自動工場船が木製の衛星に到着。その船は到着した星が適していれば母星に資源を送るべく、勝手に展開して勝手に開発をする。そこで、エラーが発生して増えた工場同士がお互いにお互いを分解して争うような生態系が発生する。数千年の後にそれは機械による生態系が発生していて、知的機械体が中世的な世界を形成している。そんな中で機械の森は、動的に動き続け機械を作る。オイルの川が流れ、製造機の動物のいる森。

多重で重なる森

以上のイメージを全て重ねる。さて変な森の完成だ。半物理的イメージでシミュレートした森。どんな風にそだつことやら。