夢に食べられるとき

夢には消費期限が付いている

あまり言われないけど夢には、消費するための期限が付いている。それは、その夢が具体的でベタなものであればあるほど、消費期限は短い。時代の流れが早くなったために、子供時代の夢を叶えるのは、できなくなってしまった。思春期で選んだ夢を叶えることも、非常に困難になってしまった。具体的な夢は強力で、有効であるが、一方時間というこの世界での最大の敵と戦うこととなる。

子供のときに考えた夢は、何も知らない無知から生まれる。思春期の時の夢は、その時の偏りで決まる。青年期の夢は、その時の常識で決まる。夢を達成することに価値があるのではなく、その達成した分だけの価値があるに過ぎない。夢は、叶えられない場合呪いになるという言葉がある。それだけではなく、夢は叶えただけでは大した意味が無い。

夢は素晴らしい?

夢を達成することは、大変に素晴らしい。本人にとって嬉しく、周りにとっても素晴らしい。ただしそれが、素晴らしいものであれば。夢を達成することが素晴らしいものではなくて、素晴らしい状況になったことが素晴らしいのだ。夢は経年劣化する。劣化を認めたくないのならば、夢を更新しないといけない。

時代が進むのはますます早くなり、10年前のスター職業が、落ちぶれたりすることが容易に起きる。夢に具体性を持たせるのはいいが、悪魔で夢は一時的な目標点であって、最終的な目標点ではないことを考えなければならない。必要な能力は、思い込むことではなくて、周りを見ることだ。

気づく力の有用性

ますます流動的な世界になっていくため、それを見極める認識能力が、ますます重要になってきている。それは、常識にとらわれず、認識することだ。一度見たものをキャッシュで処理しようとせずに、それの小さな変化を見落とさない能力だ。この能力は誰でも磨くことができるが、そんなに磨いている人を見たことがない。

気づきの能力は、ものすごく希少で最高に万能な能力だ。自分が夢を目指そうとして、いつの間にか夢に食べられていないか見渡してみるといい。