魔王がいつまで経っても世界征服できない理由

久しぶりに毛色の違うことを考えてみる。

魔王の目的はそもそも世界征服だったのか?

魔王のマネジネント能力について。
魔王は何故いつまで経っても目標を達成出来ないのか。つまり、何故組織としてプロジェクトを遂行出来ないのか。大抵の魔王軍団において、人員が足りないという話は聞いたことがない(悪の組織の人員確保のスムーズさは驚異的である。人件費は大丈夫なんだろうか)から、これはつまり魔王のリーダー適性、マネジネント能力に問題があるのではないか。

組織論として考えてみると、悪の軍団も所詮は一組織である。その組織をまとめる立場の魔王というものを、組織のリーダー適性という側面から分析するのはなかなか興味深い議論になりそうだ。彼らは果たして、何に欠けているが為に世界征服出来ないのか。

http://mubou.seesaa.net/article/48256611.html

なんとも面白そうな議題だ。という事で、全く違う面から考えてみる。

そもそも、魔王自体は世界征服を目指しているという情報は実は殆ど無い。それは人間側が結果として征服されているだけなのではないだろうか。町の外なんて魔物しかいない。この時点で、世界に十数個ある町と城以外は、全て制圧済みである。人間なんて殆ど、もう端っこに追いやられた斜陽種になってしまっている。魔物と食物連鎖で人間が関わってくるというような、生臭い設定はあまり聞かないので、要するに同じ資源を使う種族なのだろう。

人間社会は、殆どの場合、国家がありその軍がある。それは、ピラミッド型構造であり、上下はめったに移動しない。一方、魔物は統率されているような記述が殆ど存在しない。つまり上下関係ではなく、P2P型のネットワークにて色々やっていると考える事が出来る。つまり、これは現実の経済社会がインターネットに犯されるという、未来予想だったのだよ!!!な、なんだってー!

魔王の勝利条件

魔王は何をしたかったのだろうか。魔王はすでに世界の9割9部を制圧済み。ここから引っくり返されるなんて、どんな無能なんだよ。勝とうと思えば、精鋭部隊を全世界に送るだけで終了だ。あまりに面白くない。すでに独占済み、カルテルすら組む必要が無い。OSみたいに数年で新しいものを出す必要も無いし、シェアは圧倒的。そんなとき、強者はどのように行動するのだろうか。

Appleの本当にピンチだったとき、スティーブジョブスは、MicroSoftビルゲイツに借金を申し込んだ。マイクロソフトとしても、独占禁止法のからみがあって、完全にAppleが潰れないほうが都合がいい。そんな訳で、魔王も同様に生態系全体のルールが足かせになって、殲滅までは進めなかったのではないだろうか。明らかに人間側より、世界についての情報を良く知っているだろうし、「魔族を倒す」としか考えていない人間より、実はエコロジーが大切でクリーンに生きているのかもしれない。実は、人間という種族が希少で、魔族に町という檻に保護されていたのかも知れない。

進んだ文明のルールは、まだ発展していない文明のルールと明らかに違う。そのルールを相互理解できなくて、魔王側は只、商品のシェアを上げていたら、いつか人間のテロが起きて魔王が倒れる。その次に起きるのは、限りない圧政だと思うのだが。全世界の魔物の強さの総和より勇者が強いなら別だろうが。

魔王は、googleは、何がしたいのか、中国の村人Aにはわからない。ただ、ネットでシェアを上げているだけで、いつかテロられるかも知れない。それは中国側の人間から見れば、正義の鉄槌だったりして。立場と利害が一致しなければ、そのようにも解釈が可能で、争いは起きてしまうもので。アメリカは只、軍事的に悪い国をやっつけているだけでも、北朝鮮から見るとやはり魔王だろうし。おそらく、相互理解は難しい。食い合うリソースはいつでもどこでも問題になる。

でもインターネットを倒そうとしないで下さい>国