イノベーションのジレンマのジレンマ

何がイノベーションを制限するか

市場の崩壊と品質の帰還 -レジデント初期研修用資料
世の中には「0 から1を作り出す人」と「1 を10に増やす人」とがいて、市場というのは主に、「1 を10にする」人達の都合で大きくなる。

市場が求めているのは「1」という製品。最初はきっと、「1を作って1を売る」ところから始まったはず。

「1を10にする」技術を持った人が加わる。

製品を増やす人。広告をする人。流通を作る人。スーツを着た人。人と人とをつなぐ仕事。こんな人達がわずかに増えるだけで、生産性は一気に10倍に跳ね上がる。

市場が生まれる。会社が大きくなる。スーツを着た人達の発言力が高まっていく。

作る人の発言力は、相対的に低くなっていく。製品を届ける手段であったはずの「メディア」や「流通」は、そのうち目的となって一人歩きをはじめ、市場からは「より良いものを作る」動機が失われてしまう。

http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2007/07/post_519.html

イノベーションのジレンマのジレンマは、イノベーションという資源が本当に希少であるということだ。だからその資源を巡って、戦いが起きる。そしてそれは競争多寡になり、飽和する事で平衡状態に陥る。

平衡状態に陥った市場は、やがて新しいイノベーションに抜かれるまで、価格競争が始まり、品質が落ち、利益率が下がり、イノベーションという資源を使い果たされてしまう。寡占や特許、囲い込みなどである程度避けられるとは言え、本当にイノベーションのジレンマを回避する方法は無いのだろうか。

イノベーションの創造

イノベーションを作る人、天才と呼ばれるような人は、脳内で強力なフィードバック回路を持っている。普通の人は、そのような逆に縛られるようなフィードバック回路が存在すると生きにくいため、それを持つ確率は低い。ある意味偏執的なフィードバックが新たなものを生むためには必要なのだ。

フィードバックは、個人の中だけではなく組織の中でもまた同様に存在する。イノベーションを生むほど組織内部でフィードバックが得られるのならば、天才やイノベーションを作れるような組織が作れるのではないだろうか。

おそらくそこに個というものが入り込むような隙間は少なくて。個は組織に溶けて、組織で一つの個を獲得する。優れた企業やオープンソースの組織、学校は内部に優れたフィードバック回路を持っている。逆にフィードバックできないような組織は、すぐに死んでしまう。

ブログは物凄く珠玉混合でフィードバックが得られるまでに、死んでしまう確立が高い。だが、その厳しい生存率を生き延びたブログは、それなりの玉でもある。

一方Mixiでは、フィードバックが簡単に得られるため、適当に生きていく事が出来る。だから、物凄く石が多くて、只知り合いだからという価値で読む意味がある程度だ。

価値の認識

はてなブックマークは、価値のランキングだろう。ネットワーク上から、玉を見つけ出す仕組み。頭の中でも同様にして、ドーパミンによる快感のランキングが行われている。そのフィードバック回路、と他の脳内物質のフィードバックの総体がその人間というものだ。

脳内物質が複数あることは、視点の違う価値のつけ方なのだろう。例えば、はてなブックマークは、Web系のフィードバックが非常に強い。これは自らの構成要素であるWebを構築するためなのだろう。他のブログランキングなどは、現実世界の観察と優れた視点の認識といえる。

足りない認識は、足されるだろう。足りないリソース空間は埋められるだろう。

フィードバックの魔術師

必要な事は、ある程度の熱量と、内圧と殻。核融合は、まだ殻が作れないけれど。人間も組織として集めて、天才と呼ばれるような組織を作るとしたら同じなのだと思う。適切なフィードバックは、人を、組織を成長させる。

人間核融合炉は、いつできるかな。