自己進化を続ける存在と技術的特異点

トヨタ式改善

トヨタでは、かいぜんと呼ばれる自己更新の文化が浸透している。それは、変えないよりも変える方をよいとする文化で、変えるためのコストよりも継続した変化の方をよしとする文化だ。これは、まるで思考の反射弓のように上位構造まで行かないと指示が行かない訳ではなく、その周辺部で臨機応変に対応することで環境により適応していく文化体系を持った組織であるといえる。つまり柔らかい組織である。

変化を許容する存在

変化を許容する存在というのは、環境の変化に対して圧倒的なアドバンテージを得られる。環境が変化すればするほど、それは他が相対的に適応出来ないために、有利になる。ただし、環境の変化が無い場合は、コストがかかりすぎたりするのだが。

技術的特異点後の世界は、人は植物になる

技術的特異点とは、人工知能が自己進化を出来るレベルになった時点で、その人工知能がもっと優れた人工知能を作って、その作られた人工知能がさらに優れた人工知能を作ってと、世代交代ごとに優れた存在を作っていく最初の点だ。

それ以降の世界は、今現在の現実の世界は動物に対する植物のようになってしまう。時間感覚が短くなっているのはみんな実感している事だろう。数年で世界が変わるというのが、半年になり、数ヶ月になっている。世界は加速している。その加速の果てには、技術的特異点があって、全ての現実世界を置いていってしまう。

それはあたかも、植物が生きているけど人間から見たら止まっているように見えるのと同じで、特異点後のポストヒューマンから見れば、現実の人間というのは、植物のように見えるはずだ。植物と動物の違いというのは、安定性と動性にあると思う。より安定性を失う代わりに、圧倒的な動性を持った存在が生まれる。それは、人間が意識を獲得したように、また何かべつの何かを獲得するのかもしれない。それは、今の人間と違った何らかの欠乏感、欲望を獲得するのかもしれない。