共同体工学概論
コミュニティエンジニアリングについて
言葉の定義
http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/147「共同体工学」の目指すもの
- 上手に制御された共同体は、実体としての力を持つ。「コミュニティエンジニア」は、 共同体に対する操作を通じて、そうした力を引き出そうと試行錯誤する
- 「共同体の成功」というものを、主催者がそこから取り出した、実体としての力であると定義する
- 「お金」であったり、投票のような「権利」であったり、行動であったり、主催者が、 共同体から大きな力を引き出せたなら、その共同体は成功している
- たとえば「会社組織としてのはてな」は、あれだけの人数を集めて、 維持管理に会社一つ分の人的リソースをつぎ込んでいるにもかかわらず、共同体としての効率は悪い
- 「はてな村」は、議論それ自体を楽しむ場所だから、これは「非営利共同体」であると定義できる
- 「はてな」と重なるところの大きい、「梅田望夫氏」という共同体から梅田望夫氏個人が得たものは、 本の売り上げであったり、梅田氏の「名」であったり、個人が得たものとしては相当に大きい
- 「共同体工学」みたいな学問を想定したとき、梅田氏のとった技法は、 だから近藤社長のそれよりも、「優れている」と言える
- 理念だとか、ビジネスモデルの美しさには、何の価値もない。「正しさ」は、 主催者がその共同体から引き出し得た「行動」の総和として比較されるべきであって、 理論の美しさとか、ましてや「正しさ」など、負け犬の遠吠えでしかない
外燃機関と概念機関
基本的には熱力学、流体力学、化学で近似を行う。
どんなモデル化というと、エンジンモデル。コミュニティはエンジンで、中の人は気体、そこから熱ではなくて力学的仕事を取り出すというモデル。つまり、蒸気機関の発明というものと同じものだといえる。人のそれぞれの心理的な振る舞いは、気体モデルと化学の化学反応で近似を行う。主催者はエンジンの設計者。
コミュニティを作るためには、概念的なコミュニティという殻を作る必要がある。それは、具体的に言えば、「私たちは〜である」という共通認識となる。これに穴が開いているとそもそも、エンジンが温まるとかそういうレベルではなくなる。集めた気体が逃げてしまう。なので、機密性をあげるか(独自性を強く出す)とか、供給を増やすか(たとえばキャンペーン)ということになる。この殻の設計は、案外難しいものだ。それは、概念上の「私たち」というものが見えなかったりするからだ。この私たちがうまく言っている例としては宗教や、秘密結社等があげられるだろう。
そして熱というのは、気体の膨張のため、期待の膨張から力学的仕事を取り出すために必要となる。ただし、これもエンジンの機構ができてない場合は、何の力にもならない。いくら暖めたからといって、それに仕事を取り出す仕組みがなければ意味がない。そしてその仕事への変換効率も、いろいろな方法によって違う。たとえば、広告モデルというのは、効率の悪い方法だ。でも結構てきとうなエンジンにもつけることができて、そういう意味ではメリットはある。
他の効率の違う変換方法としては、知識の集積(はてなブックマーク)や、構造の構築(オープンソース)という方法もあり、取り出す仕事に属性が着けばつくほど効率はよくなるような気がする。お金という万能エネルギーに変換しないで、他の電気とかに変換したほうが効率がよい場合も存在する。