外伝/超ゴミ箱2話

脳内対話16話。外伝「ゴミ箱」シリーズ2話。一話はこちら。

それはいかなるパズルであるのか?

超光速航行エンジンが使えなくなって、人類星系まで3400光年。亜光速(光の90%)航行エンジンはあるけど、それでは生きてかえることができない。3700年くらいかかるし。あと、変なゴミ箱でどうにかしようという話し合い。

リチャード「さぁ、なにか思いついたか?」

マーカス「まぁ、考えても、大事なものを捧げてみるしかないだろ?記憶とか思考とか認識とか体とか命とか」

ジェームス「物騒だな」

マーカス「仕方ないだろう?何か大切なものを捧げるんだから。船長のロケットペンダントでも1光月だと物を捨てるのはぜんぜんあてにならんからな」

リチャード「普通に考えるとそうなるな。やはり、実験しながら記憶から捧げていくしかないか」

ジェームス「いや、俺に考えがあるぜ」

リチャード「何だそれは?」

ジェームス「いやな、できるかどうかはわからないのだが、試してみる価値はあると思うぜ」

マーカス「なんだよ。勿体をつけずに教えろよ!!」

ジェームス「いやな、このゴミ箱なんだが、価値のないと思う概念や認識をコストなしで捨てられるんだろ?」

リチャード「ああ、そうなるな」

ジェームス「それならば、我々の限界を定義している認識を捨てられないかと思ったわけだ。解決法が見つからないのならば、見つからない自分の馬鹿さ加減を捨ててしまえばいい」

マーカス「・・・!そんなことできるのかよ!!!」

リチャード「なるほど、叶えるほうで解決するのではなく、捨てるほうで解決をするのか!!!それは思いつかなかった。早速やってみるか」

ジェームス「どうする?俺は試しにやってみてもかまわないぜ?3人で同時にやるにはリスクが高いから、まずは試しに1人がやってみて、うまくいったら、残りの2人が捨てればいい」

マーカス「順当な線はそういうことになるな。まともに記憶を捨てたりしても、コストが足りないことが用意に想像がつくしな」

リチャード「そうだな。では、そうするとするか?くじ引きでもするか?」

ジェームス「いや、俺がやるぜ。どうなるのか興味もあるしな」

マーカス「・・・。すまんな」

リチャード「すまんな。うまくいったら俺もすぐに捨てるから」

ジェームス「じゃあ、先に捨てるぜ。俺は『自分の頭の悪さ』を捨てる」

ゴミ箱によくわからないものが、吸い込まれていく。

リチャード「・・・・。どうだ?」

マーカス「大丈夫か?ジェームス」

ジェームス「くくくくく。素晴らしい、これは素晴らしい!!!ああ、こんなに晴れ晴れとした気分は初めてだよ!!!!!ああ、何でもわかる、なんでもできるぞ!!!ふははははははっはははははっはははっははっははは!!!!!」

リチャード「大丈夫か?ジェームス」

マーカス「おいおいおい。やばいんじゃないか?」

ジェームス「いやはや、取り乱してしまった。申し訳ない。非常に素晴らしい気分だよ。君らも、早く捨てるべきだろう。ものすごく頭がクリアーなんだ。今なら何でも解けるぜ」

リチャード「・・・。まぁ、大丈夫なようだな。多少性格が変わったような気がするが」

ジェームス「いやいや、ぜんぜん大丈夫だよ。こんな所からとっとと帰ろうではないか」

マーカス「ああ、多少性格がアレだが、解決するなら問題ないか」

ジェームス「ああ、じゃあチャッチャと帰ろうぜ。3400光年か。捧げる人数が足りないな。俺は『認識限界』を捨てる。『能力限界』を捨てる」

さらに次々と捨てていく。

リチャード「ああ、大丈夫か?」

ジェームス「ああ、素晴らしい!!!世界はこういう形だったのか?ああ素晴らしい!!!!・・・しかし、これだけ知ってしまうと、逆に価値は無くなるな、ふむ。リチャード、マーカス、帰るための方法は見つかった。そのためには三人での協力が必要だ。お願いできるか?」

リチャード「・・・ああ。帰れるのだったら」

マーカス「いいぜ、どうせ色々捨てるつもりだったしな」

ジェームス「ありがとう。これから言うことは、3人で帰るために必要なことだ。この方法しか、思いつかなかった。3人とも失うものはあるが、かなりの確立で帰る事ができる」

リチャード「確立はどれくらいだ?」

ジェームス「8割くらいだろうか、実際に実験してみないとわからない部分もあるがな」

マーカス「8割もか!十分だな。わかった。慎重なお前のことだから、かなりの確立で可能なんだろう」

ジェームス「リチャードはどうだ」

リチャード「ああ、十分だ。それで、どうするんだ?」

ジェームス「ああ、それはな・・・・」

ジェームスは説明をした。2人は絶句する。

マーカス「!!!!!?!!????こんなこと可能なのか?」

ジェームス「ああ、8割可能だ」

リチャード「・・・・他に方法が無いのならば、信じてやるしかないだろう」

解法展開

ジェームス「準備はいいか?」

2人「ああ、いいぞ」





・・・その次の日、宇宙船では密室殺人が起きた。

リチャード「なんということだ!!マーカス!!!マーカスゥゥウウ!!!!」

ジェームス「おい!ちょっと待てよ。というか何だこれ?状況が意味がわからん。でも、犯人は・・・」

謎の人「待て待て待て!!現場から離れろ!こいつは殺人事件だ!!!」

リチャード「そりゃみればわかるさ。ん、お前は誰だ?いや、それよりも人間?」

黒猫探偵「ああ、私は探偵でな、周りでよく殺人事件が起きることで有名だ。名前は黒猫という。あ、いやむしろ黒猫で探偵といったほうがわかりやすいか」

ジェームス「どうなってやがる?意味がわからんぜ、アンドロイドの一種か?」

さらに他の人たち?が駆けつける。

白猫騎士「何が起きたんですか?」

id:kaerusanu「うわ!どうしたんですか?」

黒猫探偵「いや、ただの殺人事件が起きたようだ」

リチャード「殺人とは限らないだろう?事故かもしれないし、自殺かも知れないじゃないか?」

黒猫探偵「いやそれは無いね。なぜならば、これはミステリーだからだ!!!!」

Ω ΩΩ<「な、なんだってーー!!!」

id:kaerusanu「あれ、さっきまでSFを読んでいたような気がしたんだけど。いやその前に、3人しかこの宇宙船にはいないんじゃなかったっけ?」

黒猫探偵「ああ、そうだが、ジャンルのルールの追加によって、物語が書き換えられたようだ。殺人事件があれば、探偵が出てこないといけない」

id:kaerusanu「適当すぎる!というか、今まで傍観者だったのに、何でこんなことに!というか、黒猫さん探偵だったんですね」

黒猫探偵「いやー、一度やってみたかったの。かっこいいじゃない?」

白猫騎士「地が出てるぞ地が・・・」

黒猫探偵「こ、こほん!そんなわけで、私が着たからには、この密室殺人事件は解いてみせる!終末王の名に懸けて」

id:kaerusanu「ぼそぼそ(・・・字違うよ。懸賞に懸けてどうするんだ)」

黒猫探偵「そこ!何か言った?」

id:kaerusanu「いえ!!!なんでもないです」

黒猫探偵「それじゃあ、事情聴取が必要ね。それでこの人の名前は?」

マーカスは、自分の部屋で、一人、胸に刃物を刺されて死んでいた。3人で話し合った、翌日あまりに起きるのが遅いためにマスターキーで部屋を空けてみると今の状態になっていた。

黒猫探偵「じゃあ、あなたたちはどちらもどっちの行動を知らないということね?」

リチャード「ああ、そうなるな。いやちょっと待て俺らを疑っているのか?」

ジェームス「俺らはこれからどうやって、帰るかを話し合っていたんだ、唯でさえ捧げる資源が少ないのに、殺してしまうなんて馬鹿げているじゃないか?俺らが犯人であるはずがない」

id:kaerusanu「まぁ、最初は否定するよね」

白猫騎士「そうですよね」

黒猫探偵「あなたたちは何をしていたの?」

id:kaerusanu「え、俺?いや、・・・なんだろう。うーんと、プログラムとか物語を書いたりとか・・・。あれ、アリバイがないぞ・・・。いやでも、マーカスさんとは会ったこともないし、大体なんでこの宇宙船にいるのかわからないし」

黒猫探偵「アリバイなしと」

id:kaerusanu「ちょwwwはしょりすぎ」

白猫騎士「ちなみに私もアリバイは無いです」

黒猫探偵「みんなアリバイ無いのね」

ジェームス「じゃあ、黒猫さんはどうなんですか?」

黒猫探偵「んー私も特に無いわ」

リチャード「だれもアリバイ持ってない上に、状況がカオス過ぎる。意味がわからない」

黒猫探偵「さて、じゃあとりあえず状況を調べて明日にでも犯人探しでもしましょうか?この部屋にはだれも近づかないでくださいね」

リチャード「わかった。マスターキーで閉めておく。キーは常に2人以上で監視するようにしよう」

白猫騎士「じゃあ、私は中立なので鍵の監視を担当しましょう」

id:kaerusanu「ああ、とりあえず寝るか」

続く